<2009.8.9> 失われた生態 災害調査09

・・・雨のち曇り・・・


サラサラ静かに朝日と共に迎えてくれた渓

此処ではそんな大荒れを感じさせなかった
うっ! 思わず息を呑んだ。。  記憶に残る緩やかなルートは大きく崩落 最終の古い堰堤を

乗り越せる右岸肩に有った筈の踏み跡は 跡形さえも見当たらない

此処までの遡行渓の雰囲気はただならぬ空気を孕んでいた しかしこれ程の惨状とは

左岸は元から岩盤で手が付かないので 失われたルート側の右岸を超えんと攀じ登る

乗り越し地点其処で脚が止まった??  なんつぅ。。。  鋭利な刃物で抉り取られた

かの様に其の先がスパッと失われている 左上方に恐る々視線を辿ると 遥か高い場所

頂を起点にした山抜けは 谷底まで略垂直に削り其処でも止まらず勢い余り堰堤肩を砕き

その下部まで倒木と共に崩れ落ち 更に下流へと運ばれたようだ??

画像の中程まで土石流は満たした

至る所に流木と山抜けの爪痕が
2008年秋起きた局地的集中豪雨はこの流域に壊滅的打撃を与え 其処に生きただろう

生物を根こそぎ押し遣った 避難勧告まで発令の流域と源流部を同じくか?極近い山々に

水源を求めるこの渓のダメージは まず人が訪れる事無い事で話題にさえも成らなかった

かもしれない?  ある程度の事態は覚悟有しての調査だったが 目の前にこれ程の

爪痕惨状を見せ付けられると暫し次の行動に移る事が出来なかった 雨は執拗に背中を叩く

此処をクリァするには其処しかないと見られる地点で 背嚢内のロープを弄り始める。。

しかしと考え込んだ ミスすればその下部は失われて何も無く谷底まで運ばれ 助かる

術は無いのだろう?  此処は一旦出会いまで戻り上に出れるハイカー用自然歩道を使う

安全策を講じた  其処で目の当たりにした光景は 谷を渡る鉄製の歩道は跡形も無く流出

土石流に削られた側壁の中は 夥しい倒木流木の折り重なりが遮る 人の介在しない渓として

人知れず息づいてきたこの渓も 復活を遂げるには今後どれ程の年月を要するのだろう。。
                                      

期待外れに疲れも倍増の釣友

人間界との架け橋
                                                  2009.8.9 oozeki


ぎゃらりぃ09 august9にて過去(1980当時)画像も公開します